makoさんの占い体験談

「ヒマだから見てあげるよ」と声をかけられて

あるとき映画を見に行った。もうどこだったか覚えてないのだけれど、あるビルの中にある映画館で、入口前の狭いスペースに占いブースがあった。時間を間違えて早く着いてしまった私は、たまたま占いブースのおじさんと目があった。「誰も来ないし、ちょっと見てあげるよ。お金はいらないから」と言われたので、手相を見てもらうことにした。なんの疑いもなく両手のひらを見せたところ「これは…」とおじさん、黙ってしまった。私の両手はいわゆる「マスカケ相」、両手ともに「て」の字。実際のところ、左手のみ、「て」がすこし崩れてはいるが、一見すると「て」。おじさんは、ゆっくり私に向かって話し始めた。「あなたの手相はとてもめずらしい。とってもとっても強い運と運命を持っている。これが両方「て」なら、運気が強すぎて「すべての運」をはねかえしてしまう。この、左手の「て」がすこし崩れてきていることが、あなたを必ず幸せにする。」驚いた。私は就職活動に失敗し、当時まだ親から仕送りをしてもらってのバイト生活。はたしてどんな幸せが待っているというのか。そしておじさんは私の目を見て、そっと両手をにぎりながら続けた。「あなたの思うように生きなさい。誰かのため、誰かを思ってではなく、あなたの思うように。自分を信じ切れなくても、あなたの思う道を進めば、あなたには運が必ずついてきてくれるから」。うちは母子家庭、母をラクにするために私は生きる道を選択してきた。この先、結婚することがあるとしても、私は母を呼び寄せるつもりだった。母のために生きる、これが私の運命だと信じてきた。私はどうすればいいのか。映画が始まる時間になり、私は席を立つことにした。お礼を言うと、おじさんは「自分のために生きなさい。いい手相を見せてくれて、ほんとうにありがとう」とにっこり笑った。そのあとに見た映画のことはさっぱり覚えてないけれど、このときの占いのことはいまでも鮮明に覚えている。私はいま、自分の思うように生きられているか。それは、わからない。

 

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